部活終わって、
虎鉄と部室出た。
なんとなくそのまま、一緒に帰る流れになった。

「長戸……あのSa、」
「何?」
「……やっぱ、Eーわ」
「何だよ、気になるじゃねぇか」










「しょうがないじゃない」








俺たちが歩く歩道には、電柱の長い影。
もう日も暮れる。

「……」
沈黙がなんだか……辛いんですけど……
「まぁ、言いたくないんだったら、良いけど、別に」
「……」
よく喋るコイツが喋らない。ホント調子狂うな。

「……ないとは思うけDo、お前、男とヤッたことあRu?」
いきなりか!
「ねーよ!」
しっかし……これは!聞かずにはおられんぜ!

「……猪里?」
「……何でわかっTa?」

ビンゴ!ってとこだ。
やっぱな、俺の目は節穴じゃなかったってことだよ。
「お前、いろいろダダ漏れだよ」
「えッ?オレ漏らしてRu?猪里にもバレてRu?!」
コイツの慌てふためく顔はちょっと珍しい。
「それは、だいじょうぶだと思うけどよ」
「Ah~良かっTa……バレてねーんだNa」
「付き合ってんじゃねーんだな?」
「残念だがNa」
「お前がね~、猪里をねぇ?」
「……自分でも、よくわかんNeぇ……」

コイツ、テンションダダ下がりじゃねぇか。
相手が女の子だったら、
お前ならどうにかなるだろが!って、
背中バシッと叩いて気合入れてやるんだけどな。
同級生なのは良いとして、男で部活も一緒だなんて、
俺もどう言って発破かけたら良いかわかんねーよ……
でも、このままだとまたサイレントコース一直線だ……

「虎鉄、俺は受け入れるよ、お前がソッチでも!」
「ちょ、先走んなYo!ソッチっていうのは、たぶんちげーかRa!」
「えええ~?ほんとにぃ~~?」
「おま、何、カバンでケツ隠してんだYo!」
「ええ~~~?だってぇ~~~?」
「お前には1mmも興味ねぇから、安心しとけYo!」
「てか、なんで猪里なん?アイツ無駄に可愛いけど、性格けっこう男だぜ?」
「知ってるYo……ちょっと前、猪里ん家いったんDa……
 まだ高1なのに、一人暮らししてんだZe?」
「あー、聞いたな、そういや」
「何かSa……
 夜とか1人でさみしくねーのかNa、
 オレ行って、話相手になってやりてーNaとか、思っちまってYo」
「友達として、っていうのとは、違くて?」
「ん……そん時、ちっさい地震あっTe、
 怖かったみたいで……縋り付いてきたんだZe?
 ……カワEーって思ったんDa……ちょい心臓飛び出しかけちまっTa」
「へぇ……」
「誰か他のヤツがこの可愛さに気付いちゃったりしたRa!って、
 先越されたらDoーしよー!って、オレ、焦りまくりなんだYo!」
「……お前、重症だよ、それ」
「もう重症すぎTe、ツラい、オレ……」
これはもうほんとに重症だ。どうすんだよ、おい。
「付き合ったりしてーの?」
「そりゃ、そうだRo」
「で、女の子とするようなコト、猪里ともしたいって?思ってんの?」
「ッたりめーYo」
「お前にケツ狙われてるとか、猪里に同情するわー」
「おま、ケツとか言うなYo!」
「え?男同士ってケツなんだろ?
 男とヤッたことあるかって、お前が先に聞いたんだろが」
「……そうだっTa。
 Ha~~~、オレどうしYo。
 どうしたらEーと思う?
 好きでいてもEーと思う?」

「さぁ……好きになっちまったんだから、 
 しょうがないんじゃないか?」

「だよNa?しょーがねーよNa?」

どうなっちゃうのかねぇ……コイツの恋路は。

あ、そこはかとなく良い香りって横向いたら、
垣根越しに、ばらの花が香ってた。

……茨の道か……?















よりぬきお題さん。